リスケと経営改善計画

リスケ、経営改善計画とは?

■リスケ
 
リスケジュールの略であり、金融機関への返済を一定期間猶予してもらうことで、経営の改善・安定化 
 を図る施策のことをいい、財務戦略の一つです。金融の分野では債務の返済計画を変更して、返済を繰
 り延べること
を意味します。

■経営改善計画
 
金融機関の同意を得るために必要な計画です。
 5年以内に債務償還年数が10年以内、かつ、資産超過(債務超過でない)を達成する計画です。

リスケを受けられる条件

 一定期間返済猶予を受けることで、その会社・個人事業者様の経営が健全化することが条件になります。よって返済猶予を行っても、経営が改善する見込みがない時は、金融機関は返済猶予を受けつけません

 例えば・・・、

■「経営がうまく行っていません。返済する資金がありません。経営が改善する見込みも立ちません。」
 → このケースは、リスケを受けつけてくれません。

■「短期的に資金繰りが厳しい状況です。中期的にこのように経営は改善していきます。一時的に返済を
 猶予いただきたい。経営改善の計画は、経営改善計画書で提示します。」
 → リスケが認められるのは、このようなケースです。

経営改善計画書作成時、その後の対応のポイント

1. 経営改善計画の期間は最長5年以内が目安です。

 金融機関目線の経営の健全化・健全な財務とは、債務償還年数が10年以内、かつ、資産超過(債務超過でない)であることです。
 よって、5年以内に、単年度の簡易キャッシュフロー(減価償却費+税引後利益)が、純債務の10分の1以上(債務償還年数10年以内)に到達しなければなりません。かつ、資産超過の状態にする必要があります。

2.リスケ中は、新たな金融支援は受けられません。

 金融機関からの新たな資金調達はできないため、手持ち資金のみで資金繰りを回し続ける計画が必要です。
 よって、リスケの依頼は、手持ち資金を持ち合わせた状況で行わないと、その後の資金繰り計画が立ちません。ある程度の手持ち資金を残した状況で行います。
 また、リスケ中は、極力返済金額を極小(可能であれば0円)に設定します。

3.リスケ計画は、原則毎年1回更新されます。

 まずは、5か年計画に沿って、その進捗を適時金融機関に報告しながら経営改善を進め、その後計画に変更があれば適時計画を見直します。
 また、金融機関は経営改善計画に沿って、リスケを受けつけた会社様を、継続的にモニタリングする必要があります。よって継続的に経営状況がわかる資料の提出が必要です。モニタリング頻度は、状況によって変わりますが、毎月または3ヶ月毎が一般的です。

留意点

■過度に短期間で完了する経営改善計画書はお勧めできません。結果としての早期の完了は問題ありませ
 ん。5か年計画をお勧めします。

■リスケ中の金融機関対応は、特に丁寧に行ってください。

■リスケは、一定以上の手持ち資金がある状況で行い、かつ、リスケ中の返済金額は極小に設定すること
 をお勧めします。

■リスケは、すべての金融機関の同意と、衡平(※)な割合での繰り延べが必要です。
  ※ 返済猶予を受ける時は、すべての金融機関に対して原則同じ条件で依頼しなければなりません。
    A行には返済しながら、B行には返済しない、これはだめです。

■2年以上のリスケ計画を金融機関が受けつけるケースは稀です。

リスケが必要な場合・・・

 金融機関への返済で資金繰りが悪化している局面において、足元の経営状況を鑑みて新規の借入れが出来ない状況が続きそうな時は、リスケの検討が必要です。この時は、経営改善計画書の立案・提出が必須です。
 当事務所は銀行融資プランナー協会の正会員事務所です。財務戦略の一環として、最善なリスケ戦略のご提案と経営改善計画書の作成、その後の継続的な金融機関対応を行います。ぜひ、ご相談ください。

 

 

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