タワーマンションの固定資産税が見直しの方向へ!

背景

 マンションは高層階になればなるほど市場価格が高騰しますが、固定資産税は部屋の専有面積に応じて課税されるため、市場価格が異なっても部屋の広さが同じであれば固定資産税は同額です。
 この件につき、平成28年10月24日、菅官房長官は記者会見で「高層階、中層階、低層階と販売価格が大きく異なる高層マンションについては不公平という指摘がかねてよりある。課税の適正化の観点から実際の取引価格を踏まえた固定資産税額の按分方法を検討している。」と発言しており、タワーマンションの固定資産税の見直しが検討されています。

平成30年1月1日以後の建築建物から

 見直しの対象は、おおむね20階建以上の建物が想定されており、すでに建築された建物までは波及せず、平成30年1月1日以後に建てられた建物が対象になるようです。

見直し部分

 マンションの各戸の所有者が負担する固定資産税は、以下の流れで算出されます。

①    一棟の固定資産税評価額を算定
②    一棟の固定資産税額を計算
③    一棟の固定資産税額を各所有者の専有面積に応じて按分し課税

 今回の見直しでは、固定資産税評価額の算定方法ではなく、③の税額按分補正する地方税法の規定を改正、又は新たな補正方法を定める条文を新設するなどし、階層に応じて税額を補正するといったことが検討されているようです。
 つまり、一棟の固定資産税評価額や固定資産税額の見直しは検討されていません。

相続税への影響

 マンションの相続税評価額の算定方法は以下のとおりです。

 マンション(区分所有建物とその敷地)の価額 = 区分所有建物の価額 + 敷地の価額

  ・区分所有建物の価額 = 建物の固定資産税評価額(1棟の建物全体の評価額を専有面積の割合で
               按分して各戸の評価額を算定)

  ・敷地の価額 = マンションの敷地全体の価額 × 共有持分
          (路線価方式又は倍率方式で評価)(敷地権割合)

 固定資産税評価額の見直しはされない方向にありますので、相続税評価額には影響せず、相続税への影響もないことになります。

今後について

 名古屋では今後も20階建以上のマンションは建築されるものと思われますので、高層マンションの購入を検討されている方は、購入後に思わぬ結果にならないためにも資産税の経験が豊富な税理士のアドバイスを受けられることをお勧めいたします。

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