空家の固定資産税・都市計画税
固定資産税・都市計画税
みなさんもご存じのとおり、土地や建物などの不動産を所有していると固定資産税・都市計画税(地域によっては)がかかります。これらの税金は、市町村が決める不動産の価値である「課税標準」に一定の税率を乗じることにより税額が決まり、1月1日時点の所有者がこれらの税金を納めることになります。
なお、土地の上に住宅が建っていると「住宅用地の特例」という制度が適用され、土地の固定資産税・都市計画税が軽減されます。そのため住む予定のない空き家を取り壊すことなくそのまま所有し続け、固定資産税・都市計画税を低く抑えるという状態が続いていました。
住宅用地の特例
「住宅用地の特例」は、住宅用地に対する固定資産税が最大1/6、都市計画税が最大1/3まで減額されます。
区分 | 固定資産税 | 都市計画税 | |
空き地(更地) | 何も建物がない状態 | 課税標準×1.4% | 課税標準×0.3% |
小規模住宅用地 | 住宅1戸につき 200㎡まで | 課税標準×1/6×1.4% | 課税標準×1/3×0.3% |
一般住宅用地 | 住宅1戸につき 200㎡を超えた部分 | 課税標準×1/3×1.4% | 課税標準×2/3×0.3% |
例えば、300㎡の土地に住宅が建っていた場合は以下のとおりです。(土地計画税は省略しています。)
・土地の課税標準額 2,000万円
・建物の課税標準額 500万円
<更地の場合> 計28万円
土地2,000万円×1.4%=28万円
<建物が建っている場合> 計約13万円
土地 2,000万円×200㎡/300㎡×1/6×1.4%
+ 2,000万円×100㎡/300㎡×1/3×1.4% = 約6万円
建物 500万円×1.4%=7万円
よって建物が建っているだけで、およそ半額になります。
空き家と住宅用地の特例
政府の発表によりますと、空き家の数は年々増えているようです。
少子高齢化など様々な原因があると思われますが、適切な管理がなされていない空き家が増えると災害・衛生・景観などを損なうとの理由で問題があり、かつ、地域住民の生命や身体に影響を及ぼす犯罪にもつながりかねないという声も聴かれるため、下記の要件に該当する空き家を「特定空家等」と位置付けて適切な施策を行っていくこととなりました。(「空き家対策特別措置法」)
<特定空家等>
・倒壊等、著しく保安上危険となるおそれのある状態
・著しく衛生上、有害となる状態
・適切な管理が行われず景観を損なった状態
・周辺の生活環境の保全のために放置することが不適切な状態
これらに対して立入調査権を認めた上、除却、修繕、立木竹の伐採等の措置について助言、勧告、命令することを可能としています。この措置を支援する観点から、「特定空家等」と位置付けられた不動産は、上記の「住宅用地の特例」の適用を受けられないことになっています。
対応について
固定資産税・都市計画税は毎年1月1日時点が基準日となっているため、特定空家等に指定されても年内にその状況を改善すれば住宅用地の特例を引き続き受けることができます。