社長の税務
社長の税務とは?
会社勤めの方の場合、給料に対して所得税が課税され課税関係を選択することはできませんが、 経営者様の場合はもっとも無駄のない課税関係を選択することができます。
個人事業者として事業を行うのであれば事業の利益に対して所得税が課税されます。会社を通して事業を行うのであれば、会社の利益に対して法人税が、その会社からの給料に対して所得税が課税されることになります。さまざまな点を考慮して最も無駄のない課税関係を選ぶべきと思います。
具体例
事業を始められた方から「個人として事業を行った方がよいのか、会社を設立して事業を行った方がよいのか?」といった質問をよく受けます。一般的には事業の利益が300万円を超えるようになったら会社設立を考えたほうがよいと言われますが、以下の項目を考慮し判断することになります。
1.青色申告特別控除と給与所得控除
以下は、「個人事業主」の場合と会社を設立した場合(以下「会社」)の課税関係です。
(経営者様お一人で事業を行う場合です。)
個人事業主 | 収入 - 経費 - 青色申告控除(65万円)= 所得金額 |
---|---|
会社(会社) (個人) | 収入 - 経費 - 給 料 = 所得金額 収入 - 経費 - 給与所得控除(65万円~240万円) = 所得金額 |
控除額は青色申告控除よりも給与所得控除の方が大きくなりやすいため、控除額からのみ判断した場合、会社を設立して事業を行ったほうが有利です。
2.税率
個人に対して課税される所得税の税率は、所得金額に応じて15~55%(個人住民税を含みます)ですが、会社に対して課税される法人税の税率は一律約23%(段階的に引下中。中小法人の場合、所得金額年800万円以下は15%)ですので、所得金額によりどちらを選択するか検討すべきです。
なお、会社を設立して事業を行う場合、経営者様の給料を必要以上に大きくすることは、課税上得策ではありません。
3.コスト
(1)会社の設立・清算コスト
個人事業主の場合には、設立・清算コストはかかりませんが、会社の場合には、ある程度の設立費用(10~30万円程度)がかかります。会社を閉じる場合にも同程度の清算費用がかかります。
(2)税理士コスト
個人事業主の場合には、経営者様ご自身で申告することも可能ですが、会社の場合には処理が難しいため税理士に申告を依頼することになります。よって税理士コストが発生します。
(3)法人住民税均等割の発生
個人事業主の場合には赤字であれば税金は発生しませんが、会社の場合には赤字でも必ず法人住民税均等割が発生します。(年7万円~)
(4)社会保険料の発生
個人事業主は国民健康保険と国民年金を負担しますが、会社を設立して給料を受け取ると会社・個人の両方で社会保険料を負担することになります。社会保険料の負担は上限がありますが、会社・個人の両方合わせて給料の25%となり国民健康保険・国民年金に比べ高額になります。
4.その他
個人事業主の場合・会社の場合、それぞれメリット・デメリットがあり、かつ、上記以外にも検討すべき項目は多々ありますので、判断される場合には専門家にご相談されることをお勧めいたします。
当事務所の強み(長年経営者様とお付き合いしてきた豊富な経験があります。)
社長の税務は、税金はもちろんですが、税金以外のことも検討する必要があり、複雑です。
そのため税理士の腕の見せ所であり、経営者様が税理士に期待する点だと言えます。
当事務所の税理士は、長年中小企業の経営者様とお付き合いさせていただき、様々な経験があります。当事務所とお付き合いいただくことで、少しでも経営者様の負担を軽減できることができれば大変うれしく思います。